Tokyo Rotary Club speech in Japanese
2010年9月29日(水)
「女性を幸せにする秘訣」
ミス・ユニバース・ジャパン
ナショナル・ディレクター
イネス・リグロン氏
みなさん,こんにちは。こんなにすばらしい会場で,こんなに大勢の男性にお会いできて嬉しいです。普段の私は,女性を相手に話すことが多いのですが,今日は男性ばかりなので,少し緊張しています。
今年のミス・ユニバース・コンテストではミス・メキシコが優勝しました。 毎年,ミス・ユニバース・コンテストには世界各国から大勢の女性が集まって,その美しさを競い合います。美しさだけではなく,その知性や教養も審査の対象になるコンペティションです。
今年は,日本の代表として板井麻衣子さんが選ばれました。彼女は上智大学を卒業した,才媛といわれた女性でした。彼女は大学を出てから,公務員として働いていました。麻衣子さんは典型的な日本人女性だと思います。とてもパワフルで,とても有能で知的な女性です。日本人女性の多くは,とてもエレガントで聡明です。しかも,社会に出て何かをしたいという希望も持っています。しかし,どうすれば,その希望が叶えられるのかが分からないと悩んでいる人も多いのです。日本では,いまだに,リーダーは男性という場合が多く,女性がリーダーになって活躍するということは難しい面が多いだろうと思います。そこで,ディレクターとしての私は,彼女たちを支える,彼女たちをガイドするという職務を果たしていると思っています。板井麻衣子さんも,何年か前までは人前に立って写真を撮ることも苦手でした。それが最近では,堂々と人前に立って,ポズを作ることができるようになりました。
何故,世界中の女性がミス・ユニバース・コンテストのようなコンペティションに参加するのでしょう。女性たちは,高いモチベーション,高い希望,そしてドリームをもっています。彼女たちは,今の世界で何かをしたい,自分も役に立ちたいという希望をもった女性です。ミス・ユニバース・コンテストのようなコンペティションに出場することによって,周りの人たちに認めてもらうことができます。世界中の人に知ってもらうこともできます。ミス・ユニバース・コンテストに参加した女性たちの多くは,コンペティション終了後に再び大学で学び,卒業後には,弁護士,会計士,国連などの仕事に就きます。そういうポジションを得た女性が殆どです。
2006年のミス・ユニバース・コンテストに出場して世界第2位になった知花くららさんは,その後も多くのメディアに顔を出しています。私が最初にくららさんと出会ったのは,彼女が上智大学を卒業したばかりの時でした。大学を卒業してから,就職先を決めようと思っていた彼女は,興味を持てる仕事,面白いと思う仕事がなかなか見つかりません。仕方なく,スポーツジムのインストラクターとして働いていました。そんな時,彼女は私にミス・ユニバース・コンテストのアプリケーションを送ってきました。その時,彼女が希望していたことは,ミス・ユニバースに推薦されるのを機会にテレビのレポーターになることでした。
ミス・ユニバースはエンターテイメントとセレブの世界です。ドナルド・J・トランプ氏というのは,ミス・ユニバース・ジャパンでの,私のボスです。私がミス・ユニバースの仕事を始める前、トランプ氏はビジネスマンですから,日本でのミス・ユニバースのレベルをとても気にかけていました。世界大会に送られてくる日本の候補者,ミス・ユニバース・ジャパンのレベルが,あまり高いレベルの人ではなかったので,トランプ氏は私にその責任を与えて,日本人の候補者の美しさを引き出すことを命じました。トランプ氏は私に,「日本人らしいエレガントさをキープしたまま,世界的な舞台に立てる素敵な女性を育ててくれ」と頼みました。
ミス・ユニバース・コンテストの審査の為に約1カ月間,現地でいろいろなトレーニングがあります。そのような舞台での,辛いトレーニングを乗り越えることができるような女性を育てるのに,まず日本で,6カ月間のトレーニングをする必要がありました。日本での厳しいトレーニングを経たお陰で,2003年に「宮崎京」という女性が世界第5位に入賞しました。2006年には,かわいい沖縄の女の子が「知花くらら」という美しい女性に変身して,世界第2位に入賞しました。日本大会の6カ月前にオーディションが始まり,何千人もの女性たちがオーディションに参加します。私が初めて日本に来た,13年前には,スクーターで表参道や原宿などを回って,美しい女性を探したものでした。当時は誰もミス・ユニバースに興味を持っていませんでした。コンテストを知らない女性もたくさんいました。何故,ミス・ユニバースが女性にとって大切なのか。何故,参加すべきなのか,という理由が失われてしまっていたのです。今では,日本の人たちにミス・ユニバース・コンテストの大切さを知ってもらいました。それが私の実績です。
さて,日本で,1年間に何人ぐらいの女性がコンテストに応募すると思いますか。実は毎回,4千人以上の応募があります。でも,日本の人口を考えると,4千人というのは,本当に小さな数です。もっと多くの応募者が出ることを願っています。
知花くららさんは,オーディションでのいろいろな機会を経験する度に美しく変化していきました。まず100人を選びます。そして次に50人に絞ります。こうしたセレクションの機会が何回かありましたが,彼女は回を重ねるに従って美しさが増して,輝いていきました。予選の合間をぬって,ウォーキングの練習,スピーチの練習なども行います。その後にもオーディションが続きます。とてもストレスの高いトレーニングなので,時には貧血を起こす女性まで現れます。
この仕事を始めた頃の私は,失礼ですが,男性には全く興味がありませんでした。女性をサポートすること,女性を育てること,それが私の目標でした。私は,女性のためのマーケティングをし,女性が幸せになるように成長させたいと思っていました。上品なイメージも保ちたいと思いました。何週間も行うトレーニングには,体力が必要です。メンタル的な力も必要です。日本人の女性は,とてもエレガントで,とてもよい教育を受けています。そして,とても礼儀正しい女性たちです。そのすばらしさを世界に示すことができたらと思って,この仕事に精進しています。トレーニングのステップの一つとして,女性たちの家族,両親も一緒にトレーニングに参加することがあります。私は,日本の歴史について,あまり詳しくありません。そこで,日本の文化,日本の歴史については,彼女たちの両親に手伝ってもらっています。女性が成長するためには,サポートが必要です。褒めることもとても大切です。周りの人,特に両親には,彼女たちをポジティブにサポートすることを薦めています。一人一人の女性が,両親の前に座って「自分が何をしたいか」を話す,自分の夢をストレートに話すトレーニングがあります。ミス・ユニバースに優勝した森理世さんは「5年後,ミス・ユニバースに優勝して,ニューヨークに住んでいる間は,お母さんのサポートが欲しい。そして,そのステージが終わったら一緒にダンススクールを立ち上げましょう」と両親に夢を話した場面を,私は鮮明に覚えています。
女性と一緒に働くことは本当に幸せなことです。女性を教育することによって,次の世代の女性も教育されると思います。このように,何世代にもわたって,成長していく女性を見ることができるのは本当に幸せです。日本の方々に心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。サポートしてくださった方々,私を「おかあさん」と呼んでくれる多くの女性たちは,私の東京での生活を豊かにしてくれます。
日本に来てから出会った全ての女性を誇りに思います。私は,サポートする女性たちに「鏡に写る自分の姿は、どんな時も、美しい立派な自分である」ことを信じて自信を持てと言っています。これが女性への私のメッセージです。どうもありがとうございました。
東京ロータリークラブでのスピーチ
2010年9月29日(水)
「女性を幸せにする秘訣」
ミス・ユニバース・ジャパン
ナショナル・ディレクター
イネス・リグロン氏
みなさん,こんにちは。こんなにすばらしい会場で,こんなに大勢の男性にお会いできて嬉しいです。普段の私は,女性を相手に話すことが多いのですが,今日は男性ばかりなので,少し緊張しています。
今年のミス・ユニバース・コンテストではミス・メキシコが優勝しました。 毎年,ミス・ユニバース・コンテストには世界各国から大勢の女性が集まって,その美しさを競い合います。美しさだけではなく,その知性や教養も審査の対象になるコンペティションです。
今年は,日本の代表として板井麻衣子さんが選ばれました。彼女は上智大学を卒業した,才媛といわれた女性でした。彼女は大学を出てから,公務員として働いていました。麻衣子さんは典型的な日本人女性だと思います。とてもパワフルで,とても有能で知的な女性です。日本人女性の多くは,とてもエレガントで聡明です。しかも,社会に出て何かをしたいという希望も持っています。しかし,どうすれば,その希望が叶えられるのかが分からないと悩んでいる人も多いのです。日本では,いまだに,リーダーは男性という場合が多く,女性がリーダーになって活躍するということは難しい面が多いだろうと思います。そこで,ディレクターとしての私は,彼女たちを支える,彼女たちをガイドするという職務を果たしていると思っています。板井麻衣子さんも,何年か前までは人前に立って写真を撮ることも苦手でした。それが最近では,堂々と人前に立って,ポズを作ることができるようになりました。
何故,世界中の女性がミス・ユニバース・コンテストのようなコンペティションに参加するのでしょう。女性たちは,高いモチベーション,高い希望,そしてドリームをもっています。彼女たちは,今の世界で何かをしたい,自分も役に立ちたいという希望をもった女性です。ミス・ユニバース・コンテストのようなコンペティションに出場することによって,周りの人たちに認めてもらうことができます。世界中の人に知ってもらうこともできます。ミス・ユニバース・コンテストに参加した女性たちの多くは,コンペティション終了後に再び大学で学び,卒業後には,弁護士,会計士,国連などの仕事に就きます。そういうポジションを得た女性が殆どです。
2006年のミス・ユニバース・コンテストに出場して世界第2位になった知花くららさんは,その後も多くのメディアに顔を出しています。私が最初にくららさんと出会ったのは,彼女が上智大学を卒業したばかりの時でした。大学を卒業してから,就職先を決めようと思っていた彼女は,興味を持てる仕事,面白いと思う仕事がなかなか見つかりません。仕方なく,スポーツジムのインストラクターとして働いていました。そんな時,彼女は私にミス・ユニバース・コンテストのアプリケーションを送ってきました。その時,彼女が希望していたことは,ミス・ユニバースに推薦されるのを機会にテレビのレポーターになることでした。
ミス・ユニバースはエンターテイメントとセレブの世界です。ドナルド・J・トランプ氏というのは,ミス・ユニバース・ジャパンでの,私のボスです。私がミス・ユニバースの仕事を始める前、トランプ氏はビジネスマンですから,日本でのミス・ユニバースのレベルをとても気にかけていました。世界大会に送られてくる日本の候補者,ミス・ユニバース・ジャパンのレベルが,あまり高いレベルの人ではなかったので,トランプ氏は私にその責任を与えて,日本人の候補者の美しさを引き出すことを命じました。トランプ氏は私に,「日本人らしいエレガントさをキープしたまま,世界的な舞台に立てる素敵な女性を育ててくれ」と頼みました。
ミス・ユニバース・コンテストの審査の為に約1カ月間,現地でいろいろなトレーニングがあります。そのような舞台での,辛いトレーニングを乗り越えることができるような女性を育てるのに,まず日本で,6カ月間のトレーニングをする必要がありました。日本での厳しいトレーニングを経たお陰で,2003年に「宮崎京」という女性が世界第5位に入賞しました。2006年には,かわいい沖縄の女の子が「知花くらら」という美しい女性に変身して,世界第2位に入賞しました。日本大会の6カ月前にオーディションが始まり,何千人もの女性たちがオーディションに参加します。私が初めて日本に来た,13年前には,スクーターで表参道や原宿などを回って,美しい女性を探したものでした。当時は誰もミス・ユニバースに興味を持っていませんでした。コンテストを知らない女性もたくさんいました。何故,ミス・ユニバースが女性にとって大切なのか。何故,参加すべきなのか,という理由が失われてしまっていたのです。今では,日本の人たちにミス・ユニバース・コンテストの大切さを知ってもらいました。それが私の実績です。
さて,日本で,1年間に何人ぐらいの女性がコンテストに応募すると思いますか。実は毎回,4千人以上の応募があります。でも,日本の人口を考えると,4千人というのは,本当に小さな数です。もっと多くの応募者が出ることを願っています。
知花くららさんは,オーディションでのいろいろな機会を経験する度に美しく変化していきました。まず100人を選びます。そして次に50人に絞ります。こうしたセレクションの機会が何回かありましたが,彼女は回を重ねるに従って美しさが増して,輝いていきました。予選の合間をぬって,ウォーキングの練習,スピーチの練習なども行います。その後にもオーディションが続きます。とてもストレスの高いトレーニングなので,時には貧血を起こす女性まで現れます。
この仕事を始めた頃の私は,失礼ですが,男性には全く興味がありませんでした。女性をサポートすること,女性を育てること,それが私の目標でした。私は,女性のためのマーケティングをし,女性が幸せになるように成長させたいと思っていました。上品なイメージも保ちたいと思いました。何週間も行うトレーニングには,体力が必要です。メンタル的な力も必要です。日本人の女性は,とてもエレガントで,とてもよい教育を受けています。そして,とても礼儀正しい女性たちです。そのすばらしさを世界に示すことができたらと思って,この仕事に精進しています。トレーニングのステップの一つとして,女性たちの家族,両親も一緒にトレーニングに参加することがあります。私は,日本の歴史について,あまり詳しくありません。そこで,日本の文化,日本の歴史については,彼女たちの両親に手伝ってもらっています。女性が成長するためには,サポートが必要です。褒めることもとても大切です。周りの人,特に両親には,彼女たちをポジティブにサポートすることを薦めています。一人一人の女性が,両親の前に座って「自分が何をしたいか」を話す,自分の夢をストレートに話すトレーニングがあります。ミス・ユニバースに優勝した森理世さんは「5年後,ミス・ユニバースに優勝して,ニューヨークに住んでいる間は,お母さんのサポートが欲しい。そして,そのステージが終わったら一緒にダンススクールを立ち上げましょう」と両親に夢を話した場面を,私は鮮明に覚えています。
女性と一緒に働くことは本当に幸せなことです。女性を教育することによって,次の世代の女性も教育されると思います。このように,何世代にもわたって,成長していく女性を見ることができるのは本当に幸せです。日本の方々に心からの感謝の気持ちを伝えたいと思います。サポートしてくださった方々,私を「おかあさん」と呼んでくれる多くの女性たちは,私の東京での生活を豊かにしてくれます。
日本に来てから出会った全ての女性を誇りに思います。私は,サポートする女性たちに「鏡に写る自分の姿は、どんな時も、美しい立派な自分である」ことを信じて自信を持てと言っています。これが女性への私のメッセージです。どうもありがとうございました。